2021年12月の中旬から2022年1月下旬まで、約40日間に渡りタイのいくつかの都市を旅行してきました。
当初は、正月明け翌週位には帰国の予定でいたのですが、色々と予期せぬ出来事により少し長めの滞在期間となりました。
Twitterでは時々近況を呟いていたのですが、詳細まで語れなかった部分を今回から旅行記として、今後まだ終わらぬコロナ禍において、またアフターコロナで情勢が元に戻った時に旅行される方への備忘録として書き残していきたいと思います。
タイ入国制限の緩和が開始
2020年の4月頃から新型コロナウィルスの世界的な流行によりタイでは世界各国と同様に外国人の入国停止を開始しました。
同年の10月頃には入国再開となったものの、14日間に渡り旅行者自身の自費負担の元でAQホテルと呼ばれる隔離施設で強制隔離を行った後に解放されるといった、拘束期間と予算両方において海外からタイへの入国者に対して厳しい検疫措置を強いられる事となりました。
2021年には隔離期間を14日間から10日間に短縮する措置や、7月にはプーケットサンドボックスと呼ばれるプーケットの限られたエリアにおいて、隔離施設外を自由に外出が可能となる検疫モデルが登場しました。
しかし、日本でも2021年の夏に猛威を奮った変異株のデルタ株は、タイでも流行してしまっておりました。
そして、デルタ株がようやく落ち着き始めた2021年の秋に、タイ政府はタイ入国者がサンドボックスモデルを行える都市を増やすと発表し、更にはコロナの驚異となる流行国を除いては、入国1日目のPCR検査の結果が出る間のみ指定ホテルで隔離し、結果が陰性であれば翌日以降はタイ国内を自由に行動することができるTest&Goという施策を発表することになりました。
この施策のおかけで旅行にかかる費用と隔離による拘束期間が大幅に減ることとなり、世界中の旅行者はタイへ渡航しやすくなったのです。
私個人は自由業では無いのですが、ノートパソコン1台とインターネットがあれば世界のどこにいても仕事が可能でしたので、旅行期間中も日本の勤務時間は仕事を行う事で、無理な長期休暇を取得せずに最低限の休暇取得のみでタイ渡航が可能でした。
そして、Test&Goを利用してタイへ渡航する為の準備を開始することになりました。
それがTest&Goが開始すると発表があった、2021年10月初旬の事でした。
タイ渡航に向けて準備開始
2021年の10月についてはTest&Goが開始前とあって、とにかく情報が少ない状態でした。
実際の出発となった2ヶ月前のこの月についてはどれ位の期間旅行しようか等と、計画というよりは想像をすること位しかできませんでした。
他国より滞在費の安いタイですが、現在のコロナ禍においては旅行者減少により更に安いプロモーション価格を各ホテルが提示している為、格安で宿泊可能となっています。
本気になれば11月1日のTest&Go開始と同時に渡航して、ワーケーションを開始する事も可能でした。
しかし、平日は通常どおり仕事をすることを考えると長期の滞在は得策ではないと思い、12月から1月の間で年末年始を上手に挟んだ30日以内の旅行が最適だと考えていました。
30日以内であれば、現在のコロナ禍においても日本人はタイを旅行するにあたり、ビザの取得は必要ありません。
結論、勤務先の規定の年末年始休暇と個人的な休暇取得分を除くと、最初の1週程度とその他数日程度のリモート勤務をするだけで、無理な休暇取得や長期のタイでのリモートワークを行う必要の無い旅行計画がたてられました。
日本にいてもコロナ禍においては自宅でリモート勤務する事が日常だった為、休暇申請日以外は基本的には日本にいる時と何ら変わりはありません。
本格的に旅行の準備を始めたのは、11月に入ってからでした。
TwitterのタイムラインにTest&Goの詳細が流れてきたり、先行してタイ旅行を開始するインフルエンサーの情報等が増えてきた頃です。
タイ旅行をする為には、通常期であれば航空券とホテルの手配だけで済みます。
あとは、あってもSIMカードの準備や予算をどうするかと、事前にツアーを予約する事などを考えるくらいでしょうか。
しかし、コロナ禍のタイ旅行+ワーケーションにおいて必要な条件が多く、以下の準備が必要でした。
- 新型コロナウィルスワクチン接種証明書の取得
- Test&Goを利用するための隔離ホテルの手配
- タイ渡航に必要なコロナ治療がカバーされた5万ドル以上の医療保険への加入
- 往復航空券の取得
- 上記を入国情報として登録申請を行いタイランドパスの取得
- 出発72時間以内のRT-PCR検査の陰性証明書の取得
- ワーケーション用のインターネット環境の準備
ワクチン接種証明書については職域接種によりモデルナ製ワクチンを2回接種していたので、10月中頃に居住している市に申請を出し郵送で受け取りました。
隔離ホテルの手配は、通常期の旅行と違い少し面倒な手続きが必要となります。
通常期の旅行の場合、AgodaやBooking.comなどの旅行サイトを通してインターネット上で予約を行えばホテル予約は完了ですが、Test&Goでタイランドパス申請する時に必要な情報となるため、ホテルとのやりとりが必要となります。
予約サイトでホテル予約を行い、その予約サイト発行のバウチャーのみでタイランドパスを取得しようとすると、時間がかかったり最悪の場合はリジェクトされてしまうそうなのです。
又、隔離ホテルはどのホテルでもOKなのではなく、タイ政府が隔離施設として認定したAQホテルもしくはSHA+認定ホテルのみが対象となっています。
タイランドパス取得を円滑に行うために、予約サイトを通してホテル予約を行った後に、ホテルと連絡を取り合ってホテル発行の予約確約書を発行してもらいました。
予約確約書には、
- 空港からホテルまでの送迎が含まれている
- 隔離期間の食事が含まれている
- ホテル到着後に1回分の提携病院のPCR検査実施が含まれている
等が条件として必要となっているので、それらが明記されている必要があります。
私が今回宿泊したのは、カオサンエリアにあるヌーボシティホテルでしたが、ホテルへは初回のみメールで連絡し、その後はLINEでのやりとりとなったためスムーズにやりとりを行うことができました。
やりとりの詳細は、ホテル側からタイランドパス申請と同様に
- 飛行機の到着日時の連絡
- パスポートのコピー
- ワクチン証明書のコピー
上記を送信した後、予約確約書を発行してもらい、タイランドパスをタイ政府のサイトで発行。
タイランドパスのQRコードのコピーと医療保険のビザ取得用書類のコピー・PCR検査の陰性証明書のコピー等もその後ホテルへ送りました。
メールでしかやり取りのできないホテルだと、ホテル側のレスポンスが遅いとやりとりに時間がかかりそうなので、ホテル予約やタイランドパス申請には余裕を持って行ったほうが良いでしょう。
ホテル予約と同時に行ったのが、航空券の予約です。
予約を行った2021年11月時点では、これまでタイに格安で渡航するために就航していたタイエアアジアX・スクート・ノックスクート・タイライオンエア等のローコストキャリア(LCC)は、運航をとりやめており再開の目処も立っていない状態です。
日系のフルサービスキャリアであるANAやJALは毎日運航していますが、隔離ホテルやPCR検査料金で通常より費用がかかる事を考えると、ちょっと手を出しにくいです。
しかし、日系でありながら日本とタイを結ぶLCCが一社このコロナ禍においても就航しています。
それが、JAL系列の子会社であるZIPAIRです。
料金は片道2万円程と日系でありながらLCC料金そのものなので、コロナ用追加必要を考えても予算を安く抑えられます。
フルサービスキャリアの航空会社が往復で8万円位するとしたら、仮に出発前のPCR検査で陽性反応が出て飛行機に乗れなかったとしても、片道分を別日で追加購入してもLCCの方が安くなるだろうと予想し、ZIPAIRを利用することにしました。
機材自体は、別の航空会社のものを安く購入して再利用しているようですが、就航開始から1年ちょっとなので内装はとても綺麗でした。
おまけ程度の速度ですが無料WiFiがついており、前の座席の背もたれの後ろにスマホやタブレットを立て掛けて置くことができるスペースがあって、スマホに入れた動画を見る人にとっては便利な機能がついている点等は、他のLCCに比べてポイントが高いです。
そして、タイランドパス取得に必要な残りの手配が、医療保険の手配です。
医療保険は旅行保険の比較サイト等を見ると、基本的には日系の保険会社のものだけが紹介されていて、安いものだとHS損保のたびともやJI傷害火災のtabiho等がメジャーかと思います。
実際、旅行系インフルエンサーの方たちも上記の保険に加入している人が多いようでしたが、旅行先は海外なんだから海外の会社の旅行会社だったら、もっと安い保険があるのではないかと思い探すことにしました。
最初に目をつけたのは日本にもあるアクサダイレクトと同系列のタイAXAですが、30日間で2,970B程度で日本の保険と変わらないか少し高い位でした。
そして、次に発見したのがSafetyWingのNomad保険でした。
こちらの保険は、以前はコロナ治療はカバーはされていなかったのですが、現在はコロナ治療もカバーされており最大で2万5千ドルまで医療費が出るようです。
注意点としては、1度の医療費が250ドルまでは自己負担が発生するということです。
とはいえ、コロナになって入院することになれば医療費は高額となるので、250ドル以上の費用は保険会社が負担してくれることとなります。
もう一つ注意点は、到着時に無症状で陽性反応が出た時に、隔離ホテルにて滞在費を支払って指定日数隔離を行う必要がありますが、コロナであったとしてもそのような場合には治療が行われないため保険によって医療費がカバーされないとの事です。
上記のようないくつかの条件はあるのですが、私の今回の滞在日数での保険料が約7,500円ほどと、他の旅行会社のどの保険よりも安かったため、SafetyWingを契約することになりました。
そして、タイランドパスの申請もこちらの保険で問題なく行うことができました。
パスポート・ワクチン接種証明書・ホテルの予約確約書・医療保険の契約書等をPDFから画像に変換し、タイランドパスの申請を行いました。
タイランドパスを申請するときに必要な書類は、PDFファイルだと受け付けてくれないのでjpeg画像に変換する必要があります。
この辺は、パソコンを持っていなかったりIT関係に弱い人だとキツそうに感じました。
タイランドパスを申請し、承認されQRコードが発行されるまでに丸4日間位かかりました。
これは、日本のワクチン接種証明書が電子化されていないことが原因だそうです。
タイランドパスが手に入り、あとは出国の72時間以内にPCR検査を受けて陰性証明書を手に入れるだけです。
その前に、先にワーケーションするためのインターネット環境の準備について、色々調べ最終的にはどうしたのかについて語りたいと思います。
旅行者が思いつくインターネット環境といえば、日本の携帯キャリアの通信をローミングで国外で使う方法か、SIMフリー端末で現地のSIMカードを購入する方法・ポケットwifiをレンタルする方法・現地のホテルなどの無料wifiを使う方法等が考えられると思います。
ただ、私の場合は今回は仕事でのインターネット利用になるので、ホテルの無料wifiのような公衆wifiはセキュリティ面で問題となるため利用することはできません。
日本の携帯キャリアの通信については、楽天モバイルなので2GBまで海外ローミングが無料で含まれているのですが、仕事でネット環境を利用するには使用できる通信量が少ないです。
残りは現地SIMかポケットwifiかを選択することになるのですが、ポケットwifiの持ち運びの煩わしさとレンタル料金を考えると現地のSIMカード一択になりました。
ちなみに現地SIMカードでも4G環境でも8~10MBps前後は速度が出ていたので、動画も普通に見られましたし、Zoom会議などでの遅延もなく仕事でも問題なく普通に利用することができました。
現地のSIMカードは、以前はtrue moveのsimを繰り返しTop Upを行って、24時間で200Mbyteのプラン等を毎日アクティベートして使っていたのですが、2年渡航できなかったためSIMカードの有効期限はとっくに切れていました。
そこで、知人がタイに旅行するときなどに良く勧めている、Amazon等で購入可能な現地SIMカードを購入することにしました。
使い慣れているTrue MoveのSIMカードが以前は3GBで利用期限が1週間とかだったのですが、現在は同じ価格であるのにも関わらず、15GBで30日にアップグレードされていました。
これには、仕事で使うのに頻繁にTop Upしなくて良いので助かりました。
実際に15GBで足りなくなったとしても、15日間で10GBのプランが299THB程(税込みで320THB位)でアクティベートできるので、追加は容易です。
このプランについては、日数や容量・料金などは頻繁に変わるのでTrue Moveのホームページで調べると良いと思います。
調べ方は、ページを右上の国旗マークでタイ語から英語に変更し、Packages > Extra Packages等のリンクを押していくと、プランを選ぶことができます。
追加したいプランでSelectを押すと、True Moveに電話番号を登録してログインしていればそこでアクティベートも可能ですが、ページの下部に「or dial *000*0000# from your phone」等と*印から始まり#で終わるアクティベート番号が表示されているので、その番号を通話アプリで入力してもアクティベート可能です。
Top Up(チャージ料金追加)もTrue Moveのページで可能で、以前は使えなかった日本のクレジットカードも現在は決済に対応されていますが、ログインが面倒であればセブンイレブンやショッピングモール内にあるTrueMoveのショップでTop Up可能ですのでご利用ください。
タイのコンビニの前などにおいてある、Top Upマシンでの入金ももちろん可能です。
これで、仕事用のインターネット環境も手持ちのスマホだけで、Amazonで購入したSIMカードを現地到着後に挿入するだけで整えることができます。
そんな感じで11月は、タイ入国用の書類の準備とSIMカードの購入等で過ぎていきました。
最後の関門である、PCR検査は出発前の72時間以内に陰性であることが必要なので、念には念を押して12月は検査日まで1日も出社せず自宅で仕事する事にしました。
それまで週3で通っていたジムも12月1日から2ヶ月休会することにし、徹底的にタイ渡航対策を行うことにしました。
ちなみに通常期の旅行だと、私の荷物は7kg以内に余裕で収まるので追加料金無しで飛行機は予約するのですが、今回は仕事用のPCの持ち運びと通常よりも長期の旅行になるということで、新しい旅行かばんを新調しました。
そしてZIPAIRのオプションである、機内持ち込み荷物プラス5キロを航空券予約時に追加していました。
それでも55リットルのバックパック1つで私の荷物は収まりました。
ただ、総重量は11キロ強と結構ギリギリでした。
実際に持っていって使わなかったものもいくつかあるので、次回の旅行時にはもう少し荷物を削ることができると思います。
12月に入ってから出発までの約2週間は、通常の日常と何ら変わらず仕事の日々であっという間に過ぎていき、PCR検査を受ける日まではすぐでした。
PCR検査は、浜松町にあるちびっこの科学と遊び株式会社という検査センターで受けました。
こちらの検査センターでは、海外渡航用の英文陰性証明書の発行料金込みで7,500円と他の医療機関に比べて格安だったためこちらを選ぶことにしました。
他の医療機関だと安くても15,000円位の所が多いですし、出発当日に空港で実施すると3万円位かかるようです。
こちらの会社は医療機関ではなく、いわゆるPCR検査ラボのようなもので、検体をこちらで採取し提携している栃木県にある病院に運んで、検査と電話による医師の診断が行われるといった形のものです。
陰性証明書は翌日の夕方くらいに検査病院から電話がかかってきて、軽く問診を受けたあとにPDFで送られてきます。
送られてくる陰性証明書は日本で採用している標準的なもので、原本ではなく自分で印刷したものを空港に持っていっても問題なく使えます。
採取は唾液検査なのですが、唾液が出にくい人は大変ですし気泡が入らないよう注意を促されますが、今回帰国後含めて何度か唾液検査をやって、コツが掴めれば短時間でも採取可能だと思いました。
とにかく気泡が入らないように注意するのではなく、唾液の採取量を気泡以外の唾液の量で必要量以上に達する事を目標において採取すれば、結構はやく採取ができるようですし、その検体でも問題なく検査が行えていました。
この時の唾液採取は初めてだったので、慎重にやっていたら15分くらいかかりました。
翌日、検査結果が出るまでは少しドキドキしましたが、無事に陰性となり晴れてタイへの渡航は確実なものとなりました。
この時、今回タイに行こうと決断して約2ヶ月が経過していました。
2年振りの日本出国のために国際空港へ向かう
出発日は、平日週中の出発だったので午後休を取ることにしました。
週中の出発にした理由は、夕方のフライトで夜にタイに到着するのですが、翌日は隔離ホテルで過ごすことになれば待機時間が勿体ないと思い、それなら仕事時間に充てるのが有意義な隔離期間の過ごし方だと思ったためです。
1ヶ月近く家を開けることになるので、できるだけ待機電力のかかる家電製品のコンセントは抜いて、ガスの元栓も締めて自宅を出発しました。
この頃、他国ではオミクロン株が発見され感染が拡大しつつあるタイミングでしたが、日本ではデルタ株の流行が終息しつつあった、新規感染者数が東京でも数十人程度が続いている落ち着いた日々でした。
一方タイでは日本よりは新規感染者数が多かったものの、それほどオミクロン株に対して大きな警戒はしておらず、少し前に12月の頭から更なる水際対策の緩和を発表していたものが中止になった事、位が影響のあった事でした。
その水際対策の緩和とは、初日のPCR検査を簡易抗原検査キットに置き換えて、隔離ホテルの予約を不要にするといったものでした。
私個人としては、既に隔離検査用のAQホテルの予約をして料金も支払い済みでしたので、今更ATKに変更になってもこのままPCR検査を実施するにしても大きな影響は無いので、どちらでも良いといった感じでした。
そんなコロナ後の日常を取り戻しつつあった日本のクリスマス前週の平日に、大きな荷物を抱えて移動を開始しました。
平日に大きな荷物を持って電車に乗車している姿は、他の乗客から見れば少し浮いた存在であり、一部の人達からは好奇の眼差しに晒されていたのかも知れません。
とはいえ、こんなコロナ禍の状況の中で、まさかこれから海外旅行に行く人だと思われることは無いと思っていました。
少し大きめのバックパック1つなので、せいぜい国内旅行か実家に帰るか位には思われていたかも知れませんが・・・
2年振りに乗車するスカイライナーの乗車人数はとても少なかったです。
これはコロナ禍だからというよりは、平日の出発を選んだからそうだっただけなのかも知れません。
コロナ禍前も平日の午後に乗った成田エクスプレスは比較的空いていた記憶があります。
スカイライナーに乗車していた人たちの殆どは空港第二ビル駅で下車していました。
恐らく、第3ターミナルから国内線に乗る人達が多いからなのではないかと思います。
ZIPAIRが利用できるターミナルは第一ターミナルなので、スカイライナーを終点まで乗車しました。
スカイライナーを降車後、急ぐ必要は無かったのですが足早に出国ロビー階へ移動しました。
出国ロビー階に到着し、愕然とします。
にわかに噂には聞いていたものの人の姿はほぼ無く、眠ることのないはずの国際空港が、まるで定休日のような雰囲気でした。
辛うじて、飛行機の搭乗手続きを行っている航空会社のカウンターは1つ程度開いているくらいで、そこに航空会社のスタッフが数名いる感じです。
通常期であれば、繁忙期でなくても開いているカウンターが1つだけだと搭乗手続きを行う乗客で行列ができると思うのですが、たった1つの開いているカウンターでも手続きを行う為に行列に並ぶ必要はありませんでした。
搭乗カウンターでは、通常期であればパスポートを見せて荷物を預けるか、機内へ荷物持ち込みを行うのであれば重量オーバーしていないか計量する位の手続きですが、コロナ禍においては1通り必要書類が揃っているか確認が行われます。
とはいえ、PCR検査結果やワクチン接種証明書については軽く目を通されるだけで、印刷されたタイランドパスのQRコードがカウンターに置いてある端末で読み込めて有効かどうかチェックされる位なので、手続きに大きく時間はかかりませんでした。
搭乗カウンターでの手続きはすぐに終わり、通常期と同様に搭乗券を渡されて搭乗時間と搭乗ゲートを案内されました。
時間に少し余裕があったので、空港内を軽く歩いてみました。
通常期であれば、これから出発する旅行者で賑わっているはずの商業エリアですが、人が居ないことが原因で営業しているお店はほとんどありませんでした。
この普段は見ることができない光景を目の当たりにして、何かこれから悪いことをしようとしているような気分にとらわれていました。
手荷物検査場や出国ゲートも並んでいる人はおらず、待ち時間無しで通過できました。
出国エリアの免税店も一部の店舗だけ営業を行ってはいましたが、客の姿はほぼありません。
搭乗ゲート付近には搭乗便を待つ乗客の姿がちらほら見えて、少しだけホッとした気持ちになりました。
搭乗ゲートへ向かう途中、1店舗だけコンビニが開いていおり軽食や飲み物の購入が可能でした。
缶ビール1缶と水を購入し、缶ビールをちびちび飲みながら待ち時間に食べようと持ってきていた鶏ハムを食べながら出発時間を待つことにしました。
72時間以内に受けたPCR検査では陰性だったのでタイ入国は可能な状態でしたが、到着後のPCR検査で陽性になってしまい、隔離によって予定が狂ってしまわないかなど一抹の不安を抱えて飛行機の搭乗時間を迎えることになりました。